03│2018年01月14日 降誕節3  イエスのバプテスマ

週    句

律法はモーセを通して与えられたが、恵みと真理はイエス・キリストを通して現れた。
ヨハネによる福音書 1:17
説  教    「あなたはわたしの愛する子」    :梅田 環

イエスのバプテスマ
出14:15~22、Ⅰヨハ5:6~9、マコ1:9~11、詩36:6~10。

すると、「あなたはわたしの愛する子、わたしの心に適う者」という声が、天から聞こえた。
マルコによる福音書 1:11

 イエスのバプテスマを通して示されたメッセージは〈愛と喜び〉!バプテスマのヨハネの〈悔い改めと節制〉とは、随分、印象が違う。イエスのバプテスマの際、神は「あなたはわたしの愛する子、わたしの心に適う者」と言われた。それはイエスにだけ与えられた言葉ではありません。イエスを介して、わたしたちにも与えられた神の言葉です。しかし、わたしたちは、これを受け入れられず、勝手に条件を探すのです。条件をクリアすることなしに、神は「わたしの愛する子」などと言われるはずはない(!)と、思っているからです。
 イエスは、公生涯を始められるまで、ガリラヤのナザレにおられた。ナザレはガリラヤの人々から軽蔑されていた町です。そこに住んでいるだけで差別を受けるのです。人の世には、出自、外見、指向、思想などを理由に差別されるということがあります。その時、人は「神から愛されて〈いない〉」というメッセージを受け取るのです。イエスは「そこから」出て来られた。「から」と言う接続詞は分離/出発を意味します。イエスは自分を否定する声から解放された。力となったのは、「あなたはわたしの愛する子、わたしの心に適う者」という確信。
 わたしたちも、自分自身の存在を脅かすメッセージがあふれる社会に生きている。しかし、神は、イエスを通して、「あなたはわたしの愛する子、わたしの心に適う者」と、語りかけてくださり、神の似姿として創られたわたしたちを祝福してくださっている。
 わたしたちも存在を否定する場から出発し、神の解放のメッセージを宣ベ伝える者となろう。