43│2018年10月21日 聖霊降臨23 天国に市民権を持つ者

週    句

悪に負けることなく、善をもって悪に勝ちなさい。
ローマの信徒への手紙 12:21
説  教    「数えきれないほどの大群衆が……」  :梅田 環

天国に市民権を持つ者
イザ25:1~9、黙7:2~4,9~12、マタ5:1~12、詩146:1~10。

……数えきれないほどの大群衆が、白い衣を身につけ、手にナツメヤシの枝を持ち、玉座の前と小羊の前に立って……
ヨハネの黙示録 7:9

 黙示録は恐怖の書ではない。むしろ、神の救いに目を向けさせようとする慰めの書。破滅へと突き進んでいるかのように思える世界に目を向けたとき、人はそれを神の所為(せい)にします。しかし、それらは人間の心の闇が造り出したものではないでしょうか。苦しみに身も心も焼き尽くされ、絶望し、自分自身や他者に対して暴力的になってしまう破滅的な心こそが、貪り、不正、略奪、破壊へとわたしたちの行動を突き動かします。だからこそ、わたしたちは、わたしたちの心の中を変えなければならないのではないでしょうか。
 目を上げ、天を仰ぎ、神に救いを求めるのです。神はわたしたちの目から涙をことごとく拭うとの約束を与えてくださっています。傷だらけ、血だらけ、泥だらけになったわたしたちを、引き寄せ、洗い清め、新しい衣をまとわせてくださいます。神は、厳しくわたしたちを裁く恐怖の神ではなく、わたしたちと共に歩んでくださる神なのです。その神に目を向けるとき、自己を否定する力に支配されていた心に、愛と希望の光が差し込む。その光に気づいたとき、破滅しかないと思われる状況に、新たな一歩を踏み出す力が与えられます。
 黙示とは、覆いを取って、隠されていた事柄を明らかにするという意味があります。覆いが取られたところには、全ての民が神に招かれ、救われ、いのちと祝福で満たされると言う善き知らせに満ちあふれている。そして、イエス・キリストを通して示された神の国がある。
 全ての人が神の子とされていることを確信し、その福音を宣明しよう。今日は、聖霊降臨節「教会の時」として過ごす最後の主の日。