33│2017年08月13日 聖霊節11 宣教への派遣

週    句

すべて多く与えられた者は、多く求められ、多く任された者は、更に多く要求される。
ルカによる福音書 12:48
説  教  「教会は…聖霊の慰めを受け、基礎が固まって」:梅田 環

宣教への派遣
ヨナ3:1~5、使9:26~31、マタ9:35~10:16、詩71:14~19。

こうして、教会は、ユダヤ、ガリラヤ、サマリアの全地方で平和を保ち、主を恐れ、聖霊の慰めを受け、基礎が固まって
使徒言行録 9:31

 サウロ(パウロ)は、回心したあと、キリスト者と自称してキリスト者の集会に入り込み、共同体を根絶しようとしているのではないか、と疑われ、仲間として加わるのを拒まれます。それも予想していたでしょうが、それでも、使徒たちと共に宣教活動を担うことを望みました。執り成したのはバルナバです。大胆な宣教(例えば、使9:27など)は使徒的宣教の特徴で、博識や形式的な権威には依らず、主の霊によって大胆に語る権威を与えられていたためでした。
 サウロはユダヤ人とも「議論」しましたが、これは敵対的な意味で用いられる語を使っています。ステファノとの議論に負けたユダヤ人が、彼を逮捕し殺したのと同様、ここでもサウロを殺すべく、企みが始まることを予感させます。その事情を知った兄弟たちに助けられ、タルソスへと向かうのでした。
 迫害者であったサウロが回心したことによって、ユダヤ人による迫害は一時治まり、教会は基礎を固めることができました。これは「建て上げる」という語で、パウロが後の手紙の中で教会形成を意味する言葉として用いているものです。
 教会が受けた「聖霊の慰め」とは日本語のいう「慰め」より広い意味があり、勧め、励まし、力づけ、勇気を与え、警告することです。聖霊が彼らを、具体的に、導き、押し出していったのでした。「信者の数が増えていった」と訳されたのは、「増大され、豊かに分け与えられる」という言葉ですから、内的に充実し、恵みが増していったと言うことです。わたしたちもひたすら恵みの御業を語り続けます。